■ ふつーに玄米を食べる
うちの玄米ごはん 高山なおみ
玄米食っていうとマクロビオテックや玄米正食やベジタリアン…というなんていうかストイックな修行のようなイデオロギー的宗教的世界が連想されて、そして肉とジャンクフードだいすきっ子なわたしには敷居が高いよ〜と思っていた。興味だけはずっとあって、けっこうマクロビや玄米食の本を持っていたりするんだけど眺めたり読んだりして楽しむだけで、料理本として実際に使ったことはなかった。
高山なおみさんの本は前に買った『高山なおみの料理』もそうだったんだけど、生活者の料理、というかんじがすごく好き。気取ってたりおもてなしだったりそういった特別な感じは全然無くて、でもどれも美味しそう。エスニックな調味料も気張って使ってみました!!という感じが全然無く、どれも普通に生活をしていて、食べたいもの食べさせたいもの作ったよというのが写真や文章から感じられる。とても信用のおける人だ、という印象です。わたしの大好きな武田百合子さんの『富士日記』に通じるものがあるなぁと思う。
この本もやっぱりそういうかんじでとても良い料理本です。だって「うちの玄米ごはん」ってタイトルなのに「この料理は白米のほうが合うから白米料理も載せておくよ」ってページがけっこうあるんですよ。この融通のきき具合が全くもって素晴らしい。この本は使える料理本だと思う。